みなさんこんにちは。あいらです。
前回、ミスチルのサビ前部分の高揚感の仕組みをリズムから紐解いていきました。

今回もMr.ChildrenさんのHANABIを取り上げたいと思います。サビの和音に痺れた…!
HANABI / Mr.Children サビ
今回はサビ部分です。
サビ部分のコード進行がこちらです。
※楽器.me を参考に作成
和音記号に直して眺めてみる
ということでコードネームを和音記号に直してみます。
なお、わかりやすくするために7th等の表記は外してしまいます
すると、なんか見たことある進行がありませんか?
…
王道進行、からのツーファイブワン?
王道進行とは別名4536進行とも呼ばれる、ポップスでよく用いられている進行です。小室進行ばりに有名なパターンの一つです。
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm と進行していきます。
ツーファイブワンとは、名前の通り Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ と進行するパターンです。ジャズナンバーなどでよく見かけるパターンです。
そして、王道進行の後にツーファイブワンで終わるというパターンはものすごーーーーーく頻出するパターンです。
今回もこのパターンか!と思いながら次の和音を見てみましょう。
ミスチルによる焦らし発動!!!
Ⅲm
Ⅰが来ないんです。さすがミスチル。一筋縄ではいきません。
では、この「もう一回 もう一回 もう一回 もう一回」の部分のコード進行をみてみましょう。
Ⅱm→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
この進行、何かに似ていませんか?
王道進行は
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
でした。最初の和音が違うだけですね!
加えて、Ⅱm と Ⅳ はともにサブドミナント(和音の役割の名前だと思ってください)なので、役割も似ています。
つまり、HANABIのここの部分は
ツーファイブワンに入ったと見せかけて、もう一度王道進行をリフレインしているのです。
痺れますね…!
焦らしはまだ終わらない
さて、ミスチルによる焦らしプレイはまだ終わりません。
次の「僕はこの手を伸ばしたい」を見てみましょう。
ここでもまだ「Ⅰ」の和音は来てくれません。
Ⅰの和音はいつお届けされるのか?
では、Ⅰの和音はいつまで待てば我々の下にお届けされるのでしょうか?
それは…
なんと、サビが終わって2番のAメロまでⅠの和音は我々にお届けされないのです!
焦らしますねぇ〜〜〜
ちなみに、Aメロということは、前回の記事で言う所の

にリズムが戻る場所でもあります(詳しくは前回の記事を読んでね!)。
元のノリに戻った安心感と、やっとⅠの和音を聴くことができたという、二重の安心を感じることができるようになっています。
非常にえっちですね。
えっちですね(強調)。
真意はミスチルのみぞ知る
以上、僕がHANABIのサビを聴いて興奮するポイントでした。
ミスチルが本当にこんなことを考えて作曲したのか、その真意はぶっちゃけわかりません。
しかし、言葉を必要としない伝達方法だからこそ様々な解釈が入り込む余地がある。
それが音楽の醍醐味の一つだと思っています。
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